バッハ「マタイ受難曲」
2006.06.10 Saturday | 癒される音楽
皆さんは、バッハはお好きですか?バッハといえば、日本人の間では、学校の音楽鑑賞などでよく聴かれる「トッカータとフーガ ニ短調」「G線上のアリア」「主よ、人の望みの喜びよ」あたりが有名ですね。曲名はご存知なくても、お聞きになれば「ああ、この曲か」と思われるかと。
バッハはその生涯において1000曲以上も作曲しているので、あまり知られていない曲も多いですが、どれも聴く人に安らぎをもたらしてくれるものばかりです。
今日ご紹介するのは「マタイ受難曲」。演奏時間が全部で3時間ほどの大曲です。CDだと3枚組ですね。
「演奏時間が3時間」なんて言うと、大概の方は引いてしまうでしょうが、3時間といっても短い曲の集合で、その多くは3分前後。1分に満たない曲も結構多いです。だから、好きな曲だけランダムに聴くことも可能ですよ。
これはタイトルどおり、旧約聖書の「マタイによる福音書」をベースにした作品で、イエス・キリストが十字架に架けられる前後の描写です。オーケストラと独唱、そして合唱が入ります。
全部で78曲から成っていますが(新版は68曲)、その中で特にわたしが気に入っているのは47曲目と51曲目(新版だと38曲目と42曲目)。47曲目は華やかで美しい合唱が印象的で、51曲目は明るく力強い男声のソロです。
だけどこれ、実はすごく悲しい場面なんですよ。
47曲目は有名な「ペテロの否認」。イエスが捕らえられた後、ペテロは人々に「お前はイエスと一緒にいただろう」と問い詰められて、思わず三度も「わたしはイエスなど知らない」と言ってしまいます。その後ペテロは、イエスがこのことを予言していたことを思い出し、涙に暮れます。
51曲目は、これまた有名な「ユダの裏切り」の場面の終盤。ユダはイエスを裏切ったことを悔い、自殺してしまいます。最近は「ユダの福音書」の解読によって、「ユダは裏切り者ではなかった」という説も浮上してきているユダですが、ここではイエスにとっての「かわいい放蕩息子」として描かれています。
このような弟子たちの裏切りの場面に付けられた明るく美しい曲は、弱さゆえに過ちを犯してしまう人間に対し、哀れみと許しで応える神の深い愛と、その神に対するバッハの絶対の信頼を感じさせてくれます。
こうしたバッハの想いが全曲を貫いているがゆえに、聴く人の心を打つのでしょう。
この曲は指揮者によってかなり解釈に差があって、非常にあっさりしたものから、演奏者全員が、それこそ「はらわたから搾り出す」ような勢いで歌い上げているものまで様々。
現在日本で手に入る「マタイ」の数はものすごく多いですが、ここでは「はらわたから搾り出す」盤と「あっさり」盤の2種類を紹介するにとどめておきます。
●「はらわた」ヴァージョン
「マタイ」といったらリヒター。リヒター盤だけでも数枚出ていますが、わたしはこのライブ録音(69年東京公演)を推します。旧版で全78曲。
一般的にライブ盤は音が悪かったりして敬遠されがちですが、一方でナマの真剣さが味わえます。特にこの盤は、まるでケンカ――いや、間違いなく日本人にケンカ売ってるよ。
ドイツ語なんてわからなくても全然OK! 彼らの魂の叫びを聞け!
●「あっさり」ヴァージョン
ヘレヴェッヘの旧盤がいいでしょう(こちらは新版)。クセがなくて、聴きやすいです。普通に心に染み入る感じ。マタイ初心者はこちら。
全部で78曲から成っていますが(新版は68曲)、その中で特にわたしが気に入っているのは47曲目と51曲目(新版だと38曲目と42曲目)。47曲目は華やかで美しい合唱が印象的で、51曲目は明るく力強い男声のソロです。
だけどこれ、実はすごく悲しい場面なんですよ。
47曲目は有名な「ペテロの否認」。イエスが捕らえられた後、ペテロは人々に「お前はイエスと一緒にいただろう」と問い詰められて、思わず三度も「わたしはイエスなど知らない」と言ってしまいます。その後ペテロは、イエスがこのことを予言していたことを思い出し、涙に暮れます。
51曲目は、これまた有名な「ユダの裏切り」の場面の終盤。ユダはイエスを裏切ったことを悔い、自殺してしまいます。最近は「ユダの福音書」の解読によって、「ユダは裏切り者ではなかった」という説も浮上してきているユダですが、ここではイエスにとっての「かわいい放蕩息子」として描かれています。
このような弟子たちの裏切りの場面に付けられた明るく美しい曲は、弱さゆえに過ちを犯してしまう人間に対し、哀れみと許しで応える神の深い愛と、その神に対するバッハの絶対の信頼を感じさせてくれます。
こうしたバッハの想いが全曲を貫いているがゆえに、聴く人の心を打つのでしょう。
この曲は指揮者によってかなり解釈に差があって、非常にあっさりしたものから、演奏者全員が、それこそ「はらわたから搾り出す」ような勢いで歌い上げているものまで様々。
現在日本で手に入る「マタイ」の数はものすごく多いですが、ここでは「はらわたから搾り出す」盤と「あっさり」盤の2種類を紹介するにとどめておきます。
●「はらわた」ヴァージョン
「マタイ」といったらリヒター。リヒター盤だけでも数枚出ていますが、わたしはこのライブ録音(69年東京公演)を推します。旧版で全78曲。
一般的にライブ盤は音が悪かったりして敬遠されがちですが、一方でナマの真剣さが味わえます。特にこの盤は、まるでケンカ――いや、間違いなく日本人にケンカ売ってるよ。
ドイツ語なんてわからなくても全然OK! 彼らの魂の叫びを聞け!
●「あっさり」ヴァージョン
ヘレヴェッヘの旧盤がいいでしょう(こちらは新版)。クセがなくて、聴きやすいです。普通に心に染み入る感じ。マタイ初心者はこちら。


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